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シンガポールに投資できるETF【EWS】は分配金狙いの投資家にオススメ

EWSはiシェアーズMSCIシンガポールETFと言います。「MSCIシンガポール25/50インデックス」への連動を目指しています。経費率は0.5%、純資産総額は6億4,550万ドル、大手のブラックロック社が運用しています。

早速、運用実績とチャートから見ていきましょう。

iシェアーズMSCIシンガポールETF【EWS】の運用実績とチャート

設定は1996年3月12日と比較的古いETFとなっていますが、設定来のリターンがわずか2.56%となっており、今年1年間のパフォーマンスもコロナ前の水準にまだ戻っていません。

設定来のチャートを見てみましょう。

2008年のリーマンショック前に31.94ドルという高値を付けて以来、その高値を超えられていません。また、リーマンショック時には12ドル近辺まで株価を下げているので、60%程も株価が暴落していたことが分かります。ただしコロナショック時は、直近の高値24.94ドルから15.75ドルまで下げていますが、37%程の下落と、リーマンショック程の打撃ではなかったことが分かります。

iシェアーズMSCIシンガポールETF【EWS】の分配金実績と利回り

分配金
2020年0.576ドル
2019年1.134ドル
2018年0.93ドル
2017年0.898ドル
2016年0.79ドル
2015年0.864ドル
2014年0.876ドル
2013年0.993ドル
2009年0.644ドル
EWSの分配金実績

分配金は、概ね年間0.8~1ドル台を推移しています。

コロナショックに見舞われた2020年は0.576ドルと例年より30%以上減配しており、同じくリーマンショック後の2009年の分配金も0.644ドルと平均の分配金を下回っています。

直近の分配金利回りは株価(21.38ドル)に対して、2.7%となっています。ですが、仮に分配金が元の水準(約0.9ドル)まで戻った場合は分配金利回りが4.2%となり、高配当ETFと言うことができそうです。

iシェアーズMSCIシンガポールETF【EWS】の構成企業とセクター

2020年12月23日現在、保有銘柄数は19となっています。

以下に、組入上位10銘柄を示します。

保有比率トップ3を金融系が占めています(上位3銘柄で全体の44.67%)

DBS銀行はシンガポールを代表する銀行で、フィンテックでも有名です。実際、2018年には金融専門誌のユーロマネー誌によって、「World’s Best Digital Bank」の称号が与えられています(出典:DBS銀行公式HP)。DBSに続く、Oversea-Chinese Bankと、United Overseas Bankもシンガポールの地場三大銀行の一角として市場シェアの大半を占めています。

セクターの比率は、金融がおよそ半分の48.66%を占めており、続いて不動産、資本財となっています。

まとめ:EWSは分配金狙いの手堅い投資先になるか

シンガポールは2020年9月に調査された国際金融センター指数ランキングで東京に次ぐ6位で、同国の金融業にとって銀行業は重要な原動力となっています。実際EWSの構成銘柄としてもほぼ半分が金融系で占められています。

正直大きな値上がり益は期待できないですが、今回大きく減配したのにも関わらず、分配金利回り2.7%と比較的高い水準を維持していることから、分配金狙いの投資家には選択肢の一つになるのではと思っています。また、株価がいまだにコロナ前の水準に戻っていないことから、株価が完全に戻りきる前に買っておくということもアリかもしれません。

※当ブログでは特定の銘柄に関する記述がありますが、投資を推奨するものではありません。投資の際は自己判断でお願いします。