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原油価格と相関性が高いロシアに投資ができるETF【ERUS】を紹介

ERUSはiシェアーズMSCIロシアETFと言います。「MSCIロシア・インベスタブル・マーケット・インデックス」への連動を目指しています。経費率は2021年1月11日時点で、0.59%、純資産総額は4億9,600万ドル、大手のブラックロック社が運用しています。

ロシアのマクロデータ(人口や経済成長)

先ずは人口を見てみましょう。

2019年のデータでは、ロシアは世界第9位の人口(約1億4,500万人)がいます(図A参照)。しかし、東南アジアの新興国のような人口の増加は見込めず、2050年には約1,000万人程の人口減少が起こると予測されています(図B参照)。

次に、ロシアの経済成長を見ていきましょう。

このデータによれば、GDP成長率は2012年を境に減少傾向にあることが分かります。かつてBRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)と呼ばれたころの勢いは今は見られません。

一人当たりGDPは2019年のデータで、世界第65位となっています。これは、69位の中国、77位のブラジル、インドの146位より高く、BRICsの中ではトップとなっています。

iシェアーズMSCIロシアETF【ERUS】の運用実績とチャート

設定は2010年11月9日となっています。

設定来のパフォーマンスは1.12%、直近1年間のパフォーマンスはマイナス7.30%です。

設定来のチャート(上図)を見ると、2011年の4月に62ドルの高値を付けています。面白いのが、原油(下図)も同じ時期に114ドル近辺の高値を付けています。

2つのグラフを合わせてみる(下図)と、ERUSと原油のチャートがかなり似ている動きになっていることが分かります。

下のチャートは、ベージュの「S&P500」と青の「ERUS」を比較していますが、3月の株価暴落時は、ERUSはS&P500の下落幅よりもかなり大きいことが分かると思います。

次に、ERUSの3ヵ月チャート(下図)を見てみましょう。

青のラインが株価、紫が50日移動平均線、オレンジが100日移動平均線です。

株価は、10月末をボトムに右肩上がりに推移しています。また、12月下旬に50日移動平均線が、100日移動平均線を上にゴールデンクロスしており、株価上場のサインを示していることが分かります。

iシェアーズMSCIロシアETF【ERUS】の分配金実績と利回り

分配金
2020年1.61ドル
2019年3.13ドル
2018年1.44ドル
2017年1.23ドル
2016年0.84ドル
2015年0.86ドル
2014年1.34ドル
2013年1.17ドル
(ERUSの分配金実績)

分配金は概ね1ドル台が基本になっています。

2020年実績の分配金利回りは現在の株価(39.90ドル)に対して、4.03%です。中々の高配当ですね!

iシェアーズMSCIロシアETF【ERUS】の構成企業とセクター

2020年1月8日現在、保有銘柄数は24となっています。

以下に、組入上位10銘柄を示します。

保有銘柄トップはロシア最大の商業銀行「スベルバンク(SBER)」。

そして、保有銘柄2位、3位、6位、7位にエネルギー企業が来ています。天然ガス大手「ガスプロム(GAZP)」が2位、石油会社の「ルクオイル(LKOH)」が3位、ガスプロムに次ぐ天然ガス大手「ノヴァテク(NVTK)」が6位、石油会社の「タトネフト(TATN)」となっています。この4社だけでERUSの33.93%(およそ3分の1)を占めていることが分かります。

保有銘柄4位の「ヤンデックス(YNDX)」は、ロシア国内ではグーグルにも引けを取らない人気を博すインターネット企業で、中国のBaidu(百度)のような存在となっています。

次にセクター比率ですが、エネルギーセクターが41.54%と、4割以上を占めています。これを見たら、原油」と「ERUS」の価格の相関性が高いのも納得です!

まとめ:原油価格の上昇とともに、ERUSも上がる

今まで見てきたように、ロシアに投資ができるETF「ERUS」は、エネルギー比率が高く、原油市場と相関性がかなり高いです。実際、直近3ヵ月でおよそ30%上昇している原油市場と並ぶように、ERUSは25%程の上昇を示しています。

しかし、コロナショック時にS&P500の暴落幅を大きく超える下落を経験していることからも、長期で安定して持ち続けるというのは厳しいかなというのが正直な所。

僕だったら、まだERUSが割安な時期に仕込み、短中期的な値上がりで売買していくという方法を取ると思います。いつも市場で言われることですが、「リスク」と「リターン」は表裏一体です。ERUSへの投資はまさに「ハイリスク・ハイリターン」の投資と言えるでしょう。

※当ブログでは特定の銘柄に関する記述がありますが、投資を推奨するものではありません。投資の際は自己判断でお願いします。