THDはiシェアーズMSCIタイETFと言います。「MSCIタイIMI25/50インデックス」への連動を目指しています。経費率は0.59%、純資産総額は4億2,650万ドル、大手のブラックロック社が運用しています。
GDP成長率は大体2~4%を推移しており、緩やかでも確実な経済成長が見て取れます。
一方、タイのNESDC(国家経済社会開発庁)によれば、2020年の実質GDP成長率はマイナス6.0%となる見込みですが、2021年には3.5~4.5%程の成長になるという楽観的な見方を示しています。
現在は、コロナにより経済が打撃を受けているだけでなく、「反政府デモ」が起こっています。タイには国王がいますが、1年の大半をヨーロッパのリゾートで過ごすなど、一般の国民とはかけ離れた暮らしをしているようです。国民は当然不満がたまっており、コロナも相まってデモが起きているようです。
iシェアーズMSCIタイETF【THD】の年間チャートと運用実績
THDの年初来のチャートを見てみましょう。
こうして見ると、いまだにコロナ前の株価水準に戻っていないことが分かります。
2008年3月26日の設定来のリターンは、6%となっています。また、2020年11月30日時点での1年間のリターンはマイナス11.68%です。
iシェアーズMSCIタイETF【THD】の分配金実績と利回り
年 | 分配金 |
2020年 | 1.78ドル |
2019年 | 2.12ドル |
2018年 | 2.13ドル |
2017年 | 2.00ドル |
2016年 | 1.88ドル |
2015年 | 2.10ドル |
2014年 | 1.81ドル |
2013年 | 2.01ドル |
2013年からの分配金実績は、およそ2ドル前後で安定しています。現在の株価(75.02ドル)から計算した2020年の分配金利回りは2.37%となっています。
iシェアーズMSCIタイETF【THD】の構成企業とセクター
2020年12月21日現在、保有銘柄数は117となっています。以下に、組入上位10銘柄を示します。
保有比率トップのPTTは、タイで最大の企業で、天然ガス、石油の採掘から精製、生産、販売を主に行っています。CPALLはタイでセブンイレブン事業を行っており、食品小売り業界で絶大な地位を築いています。Advanced info serviceは、日本のNTTのような存在で、タイ電話公社から携帯電話の事業権を取得し、タイでの電話の普及とともに大会社へと成長しています。
セクターは上からエネルギー、金融、一般消費財、素材と続いていますが、比較的分散されています。
まとめ:出遅れているTHD、2021年の上昇に余力
THDの紹介をしてきました。
2020年12月現在、米国のダウやS&P500は過去最高を更新、日経平均も27,000円台間近と株高の傾向が続いている中で、THDは未だコロナ前の水準に株価が回復していません。加えて政情不安も相まって、現在タイを取り巻く環境は混沌としています。
ですが、タイもいずれはこの金融緩和マネーに後押しされるように株価上昇へと向かっていくのではと考えています。まだ上昇余力が残っているTHDは、2021年の上昇に期待です。
※当ブログでは特定の銘柄に関する記述がありますが、投資を推奨するものではありません。投資の際は自己判断でお願いします。