家計見直し

火災保険・地震保険の契約について(Q&A)

先日、実家が火災保険と地震保険の更新をすることになり、直接保険会社の方とお話する機会がありました。そこで、今回はその時に聞いたことを、Q&A形式で記事にしたいと思います。これから火災保険や地震保険を加入・更新される方にとって参考になれば幸いです。

はじめに:実家の基本プラン

  • 加入保険会社:大手損保
  • マンション(持ち家)
  • 築20年以上
  • 火災保険と地震保険に加入
  • 建物のみ補償(家財には保険なし)
  • 特約①:臨時費用補償
  • 特約②:個人賠償責任補償

以上が実家の火災保険の基本プランです。

次からは保険屋さんとのやり取りをQ&A形式で振り返っていきたいと思います。

火災(地震)保険とは

Q: 火災保険ってそもそも何が補償されるんですか?

A: 火災保険では、「火災」「風災」「水災」「盗難・水濡れ等」「破損等」を補償することが可能です。建物と家財の両方か、建物のみ、もしくは家財のみに保険をかけることができます。基本プランとして「火災」と「風災」に入っていただきますが、その他の項目についてはそれぞれのご家庭の状況によって加入されるかどうか検討できます。

Q: なるほど。最近近所の家が火事で全焼してしまったり、台風で屋根が吹き飛ばされたっていう話を聞いたことがあるんですが、そういったことも補償の対象になるんですか?

A: はい。例えば、ご近所の家の火事の例だと「火災」にあたりますし、台風で屋根が飛ばされた例は「風災」にあたりますので、火災保険の対象になります。

Q: 地震保険はどのようにして加入できるんでしょうか?

A: 地震保険は火災保険とセットに加入することができる保険です。地震保険単体で加入することはできないということに注意して下さい。

Q: 分かりました。良く分からないので単刀直入に聞きますが、地震保険って必要なんですか?

A: 地震保険は、地震による倒壊、火災、津波による流失などに対応する保険です。実際東日本大震災では、地震保険に加入していた方が日常生活により迅速に戻ることができたという実績があります。

料金体系について

Q: 保険料はどのようにして決まるんですか?

A: 保険料は建物の種類、面積、築年数、免震構造の有無などによって変わってきます。お客様のお家はマンションタイプで「M構造」にあたりますので、保険料は比較的安い方になります。

Q: 分かりました。保険金は自由に設定できるんでしょうか?

A: いいえ。保険金は、建物の評価をした上で、その金額の±30%の範囲で設定できます。例えば、建物の評価が1,000万円だった場合、700万円~1,300万円の範囲で保険金を設定します。

Q: 火災保険と地震保険の保険金額に何か違いはありますか?

A: はい、地震保険の保険金額は主契約となる火災保険の保険金額の30~50%の範囲となっています。例えば、火災保険の保険金の設定額が1,000万円であれば、地震保険の保険金は300万円~500万円の範囲内で定めることが可能です。

Q: 保険料が年々上がっていると聞いたのですが、それは本当ですか?

A: はい。その通りです。近年自然災害などが多発していることにより、保険会社がリスクに見合う保険料を設定するようになっています。特に築年数が古い家屋の保険料が上がっており、2021年1月からは保険料が5%前後値上げされました。ただし築浅住宅には割引が適用される場合もあるので、詳細は保険会社もしくは代理店にお尋ねください。

Q: 保険料の支払い方はどのようなプランがあるのでしょうか?

A: 保険料の支払い方法は、月払いや年払い、一括で支払う方法などから選べます。当社では最長で10年契約が可能で、10年一括の保険料は、1年ごとに払う合計より1割程度割引になるので、お得感はあるかもしれません。ただし、地震保険の契約期間は最大5年までですので、火災保険を10年で契約した場合は地震保険のみ5年で契約の更新手続きを踏む必要があります。

特約について

Q: 特約の所に「個人賠償責任保険」とあるのはなんでしょうか?

A: 「個人賠償責任保険」とは、日常生活で誤って他人にけがをさせたり、他人のものを壊したりして、損害賠償を求められた時に備える保険です。

Q: なるほど。これは火事や地震とは関係ないんですか?

A: はい、その通りです。「個人賠償責任保険」はいわゆる自動車保険、火災保険、傷害保険などの「損害保険」に特約で加入することができる保険です。ですので、例えば買い物中に誤って商品を落として壊してしまったり、マンションの自宅の水漏れで、下の階の他人の部屋を水浸しにしてしまった場合などが支払対象になります。

Q: それは便利ですね!保険料はお高いんでしょうか?

A: お客様の場合だと、大体年2,000円の支払いで加入することが可能です。

Q: え、そんなにお安いんですか!でも、対象は保険の加入者のみになるんですよね?

A: 個人賠償責任保険は、加入者本人のみではなく、本人と同居している家族、または別居している未婚の子どもまで入ることができます。

Q: そうなんですね。では、個人賠償責任保険をを選ぶ際のポイントってありますか?

A: 個人賠償責任保険の中には、示談交渉サービスがついていたり、保険金の支払い上限が無制限のところもあるので、そういったポイントをご加入の際はご確認いただくと良いかもしれません。

Q: 後、別の特約で「臨時費用補償」というのもありますね。これはなんですか?

A: 「臨時費用補償」とは、事故によって損害保険金が支払われた場合に必要となる様々な臨時費用として、損害保険金の10%もしくは100万円を上限にお支払いする特約です。例えば、火事による損害で一時的にホテル住まいになってしまった場合など、生活を支えるための資金としてお使いいただけます。

その他

Q: 地震が原因で起きた火災は、火災保険と地震保険のどちらが適用されるんですか?

A: 地震が起因となって起きた火災は、地震保険が適用となります。ですから、お客様が火災保険のみに入っていた場合、地震が起因の火災には適用されませんのでご留意ください。

Q: もし台風などの「風災」で自宅の屋根が飛ばされて、他人の家を傷つけてしまった場合は相手の分も補償する必要があるのでしょうか?

A: 台風などの自然災害は、お客様に直接の過失がないと見なされるため、例え自分の屋根が原因で誰かの家を傷つけたとしても賠償責任は問われません。したがって、自分の家の修理は自分の火災保険、お相手の家の修理はお相手の火災保険を利用することになります。

Q: 先ほどの特約の「個人賠償責任保険」は確か自動車保険で入っていた気がするのですが、火災保険でも入る必要があるんですか?

A: いえ、すでにその他の保険の特約として「個人賠償責任保険」に加入している場合は、重複してしまうので入る必要はありません。事前にお手持ちの保険で特約として加入済みかどうかをご確認お願いします。

最後に:火災保険は住まいの保険

火災保険の担当者の方とお話をして、知らなったことがたくさんあったんだと気づきました。漠然と、火災が起きたら補償される保険としてしか火災保険を理解していませんでしたが、火災のみでなく、台風や水漏れなどを含む住まいの問題全般にタイ応できるということが分かりました。

日本に住む私たちは、常に地震や台風などの自然災害と隣り合わせの生活をしています。考えたくはないけれど、万が一自然災害などによって家に被害が及んだ場合、生活を再建するためにはやはり「補償」が必要になると思います。そしてその備えとして「火災保険」や「地震保険」があるのだと思いました。

今回ご紹介した内容はあくまでも自分の実家を基にした例です。各ご家庭の状況によって対象となるプランは異なると思いますので、詳細は是非保険会社や代理店等にご確認下さい。