ファイナンス

【書籍紹介】『実況!ビジネス力養成講義 ファイナンス』石野雄一著|ファイナンスをゼロから学ぶ

今回は、私が最近読んだビジネス書で皆さんにも紹介したい!と感じた本について書きます。

その本は、2021年2月15日に日本経済新聞出版から発行された石野雄一著『実況!ビジネス力養成講義 ファイナンス』です。題名にもある通り、「ファイナンス」の専門家である石野氏が、ファイナンスとはなんぞや?経営にファイナンスの考え方をどう取り入れていくのか?など、専門家ではない一般のビジネスパーソン向けに書かれている本となっています。

会社で財務を担当されている方はもちろん、営業や経営戦略、マーケティング、エンジニア、事務職の方であってもそもそも会社がどういう風に資金を調達してきて、どう使って、利益などの分配はどうしているのか、など会社の全体像を把握するいい機会になると思います。

著者:石野雄一さんについて

石野さんは上智大学理工学部卒業後、日系の大手銀行に就職し、9年間勤務した後に米国のビジネススクールでMBAを取得。帰国後は、日産自動車の財務部に入社しキャッシュ・マネジメント、リスクマネジメント業務を担当されました。その後外資系コンサル会社勤務を経て、2009年にコンサルティング会社である株式会社オントラックを設立し、ファイナンス・会計に特化した企業研修(財務モデリング講座等)やコンサルティングを行っています。

石野さんのエピソードで興味深いのは、初めからファイナンスが得意だったわけではないということです。銀行勤務時代は、簿記3級に落ちたり、ファイナンス関連の本を100冊程読んでも内容が良く理解できなかったりと、ある意味では”苦手意識”の方が大きかったようです。そんな石野さんですが、MBA取得後に入社した日産で財務の仕事をしていくにつれてファイナンスへの理解も深まり、今ではファイナンス関連本の出版や、企業研修の講師を担当するなど、まさに「ファイナンスのプロ」として活動されています。

私は石野さんの本全てを読んでいますが、どの本にも共通しているのが“ファイナンスが苦手な人への配慮”です。専門用語を多用するのではなく、一見難しいファイナンス用語を具体例を用いて優しい言葉で解説してくれるのです。初心者でも理解できるから先に進むのが楽しくなり、読了できるという感じです。この分かりやすさは、石野さんご自身がファイナンスで苦労した経験があるからこそ成せる技なのだと思います。

『実況!ビジネス力養成講義 ファイナンス』の紹介

前置きが長くなってしまいました。

結論から言うと、こんな方にこの本をオススメしたいです。

  • 今まで色々とファイナンス関連の本を読んできたけど、中々理解できなかった
  • いつも途中で読むのをあきらめてしまう
  • 自分は数字が苦手だからファイナンスは見て見ぬふりをしている

要は、「ファイナンスに苦手意識を持っているけど、自分には必要だし、学びたい!」という想いを持っている方にこの本は最適だと思います。

ここからはこの本の特徴をいくつか挙げたいと思います。

財務人とは何かが分かる

皆さん、ファイナンス(財務)と会計の違いって分かりますか?私自身もですが、うまく説明できない方が多いのではないでしょうか?石野さんは著書で、ファイナンスが扱う時間軸は「未来」、会計が扱う時間軸は「過去」だとおっしゃっています。これにはどういった意味が込められているのでしょうか?

ファイナンスとはそもそも何か、ファイナンスは企業経営にどう役に立つのか、財務人(ファイナンスを扱う人)とはどんな人材かがこの本を読むと分かるでしょう。

具体的な会社の事例を多用

この本は、2021年2月に出版されたとあって、2020年のコロナ巣ごもり需要で特に伸びた企業(GAFAM等)が事例として紹介されています。また、日本企業でもファイナンスを上手に活用している企業の例が示されていたりと、ファイナンス理論が実務でどう扱われているのかを見ることができます。私たちにとっても身近な企業がたくさん出てくるので、「この会社ってこういう考え方の下で経営されているんだ~!」と新しい発見があるかもしれません。

Excelなどを使って実際に自分でも演習できる

やはり、本を読むだけではファイナンスの知識は身につきません。その知識を使って実際に計算してみたり、企業分析に活用してみることがファイナンス知識の定着に繋がります。そういった意味では、いくつか演習というのも用意されており、「Excelでこういった関数を使って企業価値を計算できるよ」といった形で石野さんが説明してくれます。時間のある方は実際にExcelで真似をしてみることで、理解が深まるのではないでしょうか。

文体が講義形式なので生徒になった気分で読める

この本のタイトル「実況!ビジネス力養成講義」にもあるように、まるで石野さんの生講義を生徒として受けているかのような感覚で本を読み進めることができます。例えば、難しいポイントがあった時には「ここは少し難しい論点ですね。○○の部分だけを知りたい方は読み飛ばして頂いて構いません。」などと、読者の心理を読み取っているかのように本が書かれているので「難しすぎて理解が出来ない」という挫折感を味わうことなく本を読み進めることができます。

線を引いたりメモを取りながら読む

これはすみません。本の紹介ではなく、私がこの本をどう読んでいたかです(笑)

私自身、本の読み方は色々あり、自分にとって必要な個所だけスポット的に読んだり、すらすらと流し読みすることもあるのですが、この本に関しては気になった箇所をメモに取りながら噛み締めるように読みました(笑)

例としてはこんな感じです☟ 

(このノートだけ見ても何のこと?という感じになると思います(笑))

前後の文章を読んでいく中で、頭の中を一旦整理したいときにこのようにノートに取っていました。自分で書いてみることで文章の意味をもう一度考えることができるので、しっかり読みたいときにはこの方法は気に入っています。

まとめ:石野さんの著書『実況!ビジネス力養成講義 ファイナンス』はファイナンスで挫折しそうな人にこそ読んで欲しい。

くどいようですが、石野さんの本は、初心者でも分かりやすいように書かれているということが最大の特徴だと思います。それは石野さん自身がファイナンスの理解に苦労した経験をお持ちということも少なからず影響しているでしょう。

私自身、最初にファイナンスを勉強した時に色んな数式や専門用語が出てきて愕然とした記憶があります。それから約半年ほど勉強をさぼっていたのですが、ふと書店に立ち寄った時に目に留まったのが石野さんの本だったのです。それがきっかけで、今ではファイナンスを専門に学ぶようになり、ブログを通して情報発信を行うまでになりました。

この『実況!ビジネス力養成講義 ファイナンス』が石野さんの最新本で、私たちの身近な企業を事例として扱っています。

▽『実況!ビジネス力養成講義 ファイナンス』▽

ファイナンス全般を学ぶというよりも、まずはざっくりとファイナンスを知りたい場合は、同じく石野雄一さんの著書『まんがで身につくファイナンス』や『ざっくり分かるファイナンス』もオススメです。

▽『まんがで身につくファイナンス』▽

▽『ざっくり分かるファイナンス』▽

ここまで読んで頂きありがとうございました!

最後まで読んでくれた方はかなりファイナンス好きの方だと思うので、一緒にファイナンスの勉強を頑張っていきましょ~^^

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