先日、ブログで「【米国企業】「水素社会」で注目される燃料電池の会社プラグ・パワーをご紹介」という記事を公開しました。
そこでは、グリーン水素と燃料電池が脱炭素社会の実現に寄与しているという話をしました。本日は、また一歩踏み込んで、水素社会及び、燃料電池にはどんな貴金属が使われるの?というところまで行きたいと思います。
はじめに:なるほど!投資ゼミナールとプラチナについて
なるほど!投資ゼミナールについて
僕がプラチナ投資に興味を持ったのはは、Youtubeでフリーアナウンサーの大橋ひろこさんがホストをされている「なるほど投資ゼミナール」という番組を観たことがきっかけになります。
この番組では、ご自身も投資家である大橋ひろこさんが、さまざまな分野のスペシャリストを招いてゴールドやシルバー、プラチナなどの貴金属投資や、原油、FXや株式投資に関する情報を提供しています。僕はこの番組の一番最初の動画「【米緊急利下げ】世界から金利が消える?!世界経済リスクとゴールド(貴金属スペシャリスト 池水雄一さん」を観たときに、池水さんの分析とひろこさんの超適格な質問のやり取りに感銘を受け、それ以来定期的にチェックしています。
番組を観ていく中で一番関心を持ったのが「プラチナ投資」です。池水さん(ニックネーム:ブルース)は貴金属スペシャリストで、大手商社や投資銀行で貴金属トレーダーとして貴金属投資の最前線で活躍されていた方です。現在は「一般社団法人日本貴金属マーケット協会(JBMA)」の代表理事として、一般的にはあまり馴染みのない貴金属投資の醍醐味を一般の方に伝えられています。
プラチナについて
丁度僕がクリーン・エネルギーや燃料電池、水素社会に興味を持ち始めたときに池水さんと大橋ひろこさんの動画を観たのですが、プラチナは自動車の触媒(二酸化炭素などの有害物質をきれいにする)としての役割があるんだということを知りました。
プラチナは基本、「ディーゼル自動車」の触媒として使われていますが、近年ディーゼル車の需要が急激に減っていることで、プラチナの自動車の「触媒」としての役割が縮小していました。代わりに、「ガソリン自動車」で触媒として使われる「パラジウム」の方が需要が増えてしまい、プラチナとパラジウムの価格も逆転してしまいました。
上記の表を見ると、青のプラチナの価格と赤のプラチナの価格が2017年頃を起点に逆転しており、そこからパラジウムの価格が急上昇していることが分かります。
池水さんによれば、パラジウムは長年、需要が供給を上回る供給不足の状態が続いており、価格が高騰しているのだそうです。また、パラジウム鉱山というのは存在しておらず、プラチナの副産物としてとれるものなので、供給を増やそうと思っても一気に増やすことができないということが現状のようです。
では、プラチナの未来はどうなるのでしょうか?
ここでやっと登場するのが、「水素社会」と「燃料電池」です。先ほどプラチナは、ディーゼル車の触媒として使われると言いましたが、水素燃料電池車(FCV)でも触媒として使われています。しかも、ディーゼル車に比べて燃料電池車は約10倍ものプラチナを触媒として利用するため、「燃料電池車の需要増⇒プラチナ需要増」ということが言えそうです。今後は、技術改良により燃料電池車に使われるプラチナの量も減る見込みですが、ゼロになることはないので、プラチナへの注目度が高まりそうです。
実際、「ワールド・プラチナム・インベストメント(以下:WPIC)」のサイトを見ると、中国で燃料電気自動車の生産を2030年までに100万台に増やす目標を掲げている他、EUでも急速な水素社会の推進が見込まれます。このことから、プラチナの触媒としての需要が今後ますます増えてくると言えるでしょう。
プラチナ投資の種類
さて、プラチナ投資を考える際には大きく分けて4つの投資方法があります。ここでも、「なるほど投資ゼミナール」から引用して説明していきたいと思います。
- 現物・派生商品
- 積立投資
- ETF
- 先物取引
現物・派生商品
コイン・インゴットなどの現物を購入。プラチナバーや、米造幣局発行のイーグルコインが有名。
【取扱企業例】
田中貴金属、徳力本店、三菱マテリアル、日本マテリアルほか
積立投資
毎月一定額をプラチナに投資していく方法。地金商だけでなくネット証券会社でも購入可能。各社によって会費・手数料・スプレッドなど条件は異なる。
【取扱企業例】
田中貴金属、三菱マテリアル、楽天証券、SBI証券、マネックス証券ほか
ETF
プラチナ価格に連動する金融商品。取引所に上場しているため、株式同様リアルタイムで気軽に売買ができる。現物のプラチナを裏付け資産として保管している運用会社もある。
【取扱企業例】
証券会社
先物取引
先物取引とは、将来の特定の期日に対象となる商品を、現時点で買ったり売ったりすることを約束する取引。レバレッジを利用することも可能。
【取扱企業例】
証券会社、商品取引会社など
小額投資から始めるなら積立投資かETFがオススメ
僕のように、「先ずは少額で長期で積み立てていきたい」という人には、積立投資かETFがオススメです。
例えば、SBI証券では、月1,000円から積立投資ができ、年会費・保管料が無料で、買付手数料も業界最低水準の2.16%となっています。
(参考:SBI証券公式サイト)
一方、ETFに関しては、国内では三菱UFJ信託銀行が運用する「1541 純プラチナ上場信託(現物国内保管型)」が有名です。2020年10月30日現在、純資産総額が120億円を超えており、国内のプラチナ価格に連動するETFでは最も大きな資産額となっています。また、裏付け資産としてプラチナを日本国内に保管していることも特徴で、信託報酬は0.59%となっています。
(参考:三菱UFJ信託銀行公式サイト)
僕はETFに投資してみた
色々と検討してみましたが、僕は三菱UFJ信託銀行が運用する「1541 純プラチナ上場信託(現物国内保管型)」に投資をしました。理由としては主に、以下の2つが挙げられます。
- ETF投資に慣れているから
- コストが比較的安いから
①ETF投資に慣れているから
僕はすでに米国のETFに投資をしています。そのことから、ETFの仕組みや投資方法については多少なりとも理解しているつもりです。また、自分が使っている証券会社からも気軽に投資できることから、自分にはETFが始めの一歩として適していると感じました。また、純プラチナ上場信託の現在の価格(2020年11月20日現在)が1株3,030円と少額から始められることからETF投資に決めました。
②コストが比較的安いから
現物投資には、基本的に年会費や保管コスト等、様々なコストがかかります。また、積立投資に関してもSBI証券では購入手数料が2.16%(2020年11月現在)と、決して安いとは言えない額であるということを考えると、信託報酬が0.59%のETFの方が割安感を感じました。
以上2つの理由が僕がETFに投資をした理由ですが、投資額や求めるものによってそれぞれの投資対象にメリット・デメリットがあると思いますので、自分には何が合うかを検討することが重要だと思います。
まとめ:プラチナ投資は未来への投資
ここまでプラチナの魅力、そして投資方法について書いてきました。僕は、「プラチナは未来への投資」だと考えています。今後ますます普及するであろう水素社会、そしてプラチナの希少価値、現在の割安感を考えると、今後10年・20年・30年というスパンでプラチナを観ていきたいと思いました。
また、この記事で紹介している「なるほど!投資ゼミナール」では、プラチナフォーカスといってプラチナ投資に焦点をあてた番組があります。ここでは、専門家からプラチナの最新情報を学べますので、プラチナ投資に関心のある方にはオススメです。
最後になりますが、「プラチナの需要が高まる=水素社会の発展」という図式が成り立てば、「水素燃料電池の普及」という未来が考えられます。僕は米国の企業で燃料電池メーカーである「プラグ・パワー」という会社にも投資をしています。この会社に関する記事も前回書きましたので、是非関心のある方は読んでみて下さい。
※当ブログでは投資に関する記述がありますが、投資を推奨するものではありません。あくまでも個人の見解ですので、投資の際は自己判断でお願いします。