ETF

アフリカ大陸全体に投資ができるETF【AFK】を紹介

AFKはヴァンエック・ベクトル・アフリカインデックスETFと言います。「マーケット・ベクトルGDPアフリカインデックス」への連動を目指しています。信託報酬は0.79%、純資産総額は5,260万ドル、新興国投資やコモディティ投資で有名なヴァンエック社が運用しています。

アフリカの人口は今後どんどん増加していくことが見込まれます。下の表にもあるように、2013年にはナイジェリアとエチオピアのみが人口TOP13に入っていましたが、2050年にはコンゴ民主共和国とタンザニアが、2100年にはウガンダ、ニジェールも加わります。

アフリカ経済の魅力は石油を中心としたエネルギー資源とプラチナなどの鉱物資源です。現在資源価格が上昇していることや、今後ドル安が見込まれることから、アフリカ経済にとって良い兆候だと思われます。また、アフリカ政府も外国との貿易と投資を自由化し、国境を越えた経済活動が今後ますます期待されます。

一方で、貧困やインフラの未整備、内戦や脆弱な財務基盤などカントリーリスクが高いことも事実です。ですから、アフリカに一国集中ではなく、国際分散投資の一つの選択肢として、AFKをポートフォリオに加えることはできるのではないかと考えています。

ヴァンエック・ベクトル・アフリカインデックスETF【AFK】のチャート

(AFKのチャート)

AFKの設定日は2008年10月7日ですが、最初に40ドル台をつけてから、一度も最高値に達することなく、今では設定時の半値程の20ドル付近まで価格を下げています。

インベスコDBコモディティ・インデックスETF【DBC】との比較

(AFKとDBCの比較)

ここで、コモディティ全般に連動するETFであるDBCと比較してみると面白いことが分かります。AFKとDBCは、似たような値動きをしています。価格が急上昇している2008年頃は、BRICsをはじめとした新興国の需要のピークでした。新興国の経済成長とともに莫大な資源とエネルギーが消費された結果、資源大国であるアフリカも恩恵を受けることができたというわけです。

しかし、2008年以降は需要にも陰りが見え始め、次第に供給過多の状態に陥り、資源価格は下落、AFKやDBCも同様に下落しました。ところがコロナショック以降、各国の金融緩和政策によるマネーサプライの急上昇によって再びコモディティ市場が脚光を浴びはじめています。金は2020年8月に2,000ドルを超え、鉄鉱石や銅などの資源価格も高騰するなど確実にコモディティにお金が移ってきていることが確認できます。

このままコモディティにお金が移り、コモディティに連動するETFであるDBCも上昇していけば、AFKもその波に乗るという可能性も少なくないと思います。

インベスコDBコモディティ・インデックスETF【DBC】の構成国・セクター

現在、DBCの銘柄は74の企業とアフリカ大陸を中心とした約19ヵ国に分散投資されています。南アフリカの比率が最も大きく、モロッコ、ナイジェリア、ケニアと続いていきます。

金融がトップで、素材、通信セクターと続いています。構成企業の中には、通信大手のナスパーズ(南ア)や金融大手Attijariwafa銀行(モロッコ)、鉱山会社大手のアングロアメリカン(英国/南ア)などアフリカの成長を引っ張っていくであろう企業が名を連ねています。

まとめ:コモディティスーパーサイクルの波に乗れるか

コモディティ相場には、数十年ごとに資源価格上昇トレンドが現れる、コモディティスーパーサイクルというものがあります。前回は、2000年~2011年にかけて、その前は1973年~1980年にかけて、コモディティの上昇が見られました。

基本的にコモディティは需要と供給の関係で価格が決まります。今後人口の更なる増加が見込まれるアフリカで需要拡大が見込まれる他、現在の金融緩和によるドル安相場もあいまって、コモディティが上昇相場に乗るという声も少なくありません。そうなった時に、コモディティ指数と相関の強いAFKは、面白い存在になるのではないかと思います。

ただし、AFKは純資産総額が5,260万ドルと決して大きくないことから、コアの投資というよりは、分散投資の一部として加えるという風に考えています。

※当ブログでは特定の銘柄に関する記述がありますが、投資を推奨するものではありません。投資の際は自己判断でお願いします。