ファイナンス

【投資】投資初心者が商品先物取引をやってみた【準備編】

皆さん「先物取引」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?僕はそもそも、「投資」だけでも怖いと感じていたのに、「先物」はもっと理解が追い付かず、自分が手を出すことになるとは思ってもいませんでした。それが、ファイナンスを学んでいくうちに、「先物取引」の考え方をマスターする必要があると考え、とうとう先物取引デビューしました。日経平均などの株価指数に連動するメジャーな商品もあるのですが、僕が興味を引かれたのは「商品先物取引」でした。

ここでは、簡単に商品先物取引の仕組みを理解するとともに、どのように商品先物に投資をしたのか経緯を書いていきたいと思います。(※ここでは楽天証券の商品先物取引を元に記事を書いています。詳細はそれぞれの取り扱い会社で異なる場合があります。)

– 想定する読者層(☆超初心者向け)-

  • 株(現物)取引はやっているけど、もう少しステップアップしたい
  • 先物やオプション取引に興味がある
  • コモディティ(商品)が今後伸びると聞いているので、投資してみたいと考えている

また、この記事の内容は主に、マネー誌ZAiが作った「商品先物取引入門新版!」に基づいて書いています。より深く商品先物について知りたい方は、是非本を手に取って読んでみて下さい。

▽僕が参考にした本です▽

はじめに:先物取引ってなに?

最初に、そもそも先物取引ってなに?というところから話したいと思います。

先物取引とは・・・将来の特定の期日に、ある商品を買ったり売ったりすることを約束する取引

→価格が上がると思えば買う約束を、下がると思えば売る約束をして、その後、予想通りに価格が動いたところで取引を終了(反対売買)すれば差額を利益として得られる仕組み。

僕なりの言い方で言えば、「先物取引」は、“「先(将来)の物」の値段を予想して、上がると思えば買い、下がると思えば売る取引”と言えます。

また、先物取引を行う上で避けて通れないのが、「証拠金」という考え方です。

証拠金取引とは

商品先物取引には、「証拠金」という仕組みがあります。証拠金とは、取引をする際に、一定額の金額を担保として払う仕組みのことです。要は、取引に必要な最低の金額が証拠金で、その証拠金を下回らない限り取引ができるのです。また、総取引代金を全額払う必要がないため、「少ない資金で大きな取引ができる(レバレッジが効く」と言うこともできます。

以下に、2020年12月14日時点における楽天証券で取引される商品先物の代表銘柄とその証拠金を挙げます。(※最低証拠金額は、変更となる場合があります)

商品項目最低証拠金額
金(標準)234,000円
金ミニ23,400円
97,000円
白金(標準)132,000円
白金(ミニ)26,400円
出所:楽天証券HPから筆者作成

ここで例として、金ミニ1枚を6,000円で買った場合の証拠金の割合を見てみましょう。金ミニは、取引単位が100なので、6,000円×100で総取引金額は600,000円になります。しかし、先にも書いたように、600,000円を全額払う必要はありません。最低証拠金さえ支払っていれば金ミニ1枚を購入することができるのです。

上の表によると金ミニの最低証拠金額が23,400円なので、

最低証拠金額(23,400円)÷ 総取引金額(600,000円)× 100= 3.9%

となり、総取引金額(600,000円)のわずか3.9%の証拠金(23,400円)で金ミニ1枚を購入できるということになります。

次に、商品先物は売りからも取引ができるという特徴について見ていきます。

売りからも取引ができる

「売りから入る」って、正直良くわからないですよね。単純に言えば、「上がると思えば買い」「下がると思えば売り」と覚えておけば最初は問題ないと思います。

要は、商品の価格が高値圏にあると考え、これからは下落するんじゃないか?と考える場合に、「売り」のポジションを持ち、あとで価格が下がった時に「買い戻す」ことで、差額を利益として受け取れるという取引になります。

「売り」の考え方は分かりづらいので、簡単な例をあげて考えてみましょう。

例えば、現在1コ500円で売られているリンゴがあるとします。通常、1コ200円で売られているはずなのに、天候の影響で価格が跳ね上がってしまいました。そこで、あなたはこれからリンゴの価格は下がるはずだと予想します。ここで出てくるのが商品先物取引の「売り」という考え方です。あなたは、500円で「売り」のポジションを持ちます。先物取引は、あくまでも将来の取引なので、現物のリンゴを誰かに売る必要はありません。将来リンゴを500円で売るという契約を現在することで、リンゴが万が一200円に値下がりした時に、そのリンゴを200円で買い戻すことができます。500円で売る契約をあらかじめしていたので、200円でリンゴを仕入れて、500円でリンゴを販売したことと同じ取引になります。結果的に、あなたは差額の300円を利益として受け取ることができます。

どうでしょうか、少し「売り」の取引をイメージすることができたでしょうか?

それでは、商品先物取引(準備編)最後のパート、「決済期限」について見ていきましょう。

商品先物取引の決済期限とは?

現物の株式の取引だと、いつまでに決済しなさいと言った決まりごとはありません。自分の好きなタイミングで株式を買い、売ることができます。

しかし、商品先物取引には「決済期限」が設けられています。商品先物取引では決済期限のことを「納会日」と呼びます

例えば、2021年10月が期限の金先物(ミニ)を1枚6,000円で購入するとします。これはつまり、「2021年の10月に金1枚を6,000円で買う約束をする」ということです。しかし、投資家であるあなたは、おそらく金の棒が欲しいのではなく、金を6,000円よりも高く売ることで利益を得たいと考えているはずです。そこで、2021年10月の決済期限が来る前に、金が6,000円よりも高くなった段階でその金を売り戻すことで(転売)、その差額を利益として受け取ることができます。

商品先物取引には、色々な用語が出てきますが、それはやっていく内に自然と慣れてくるので、心配はいりません。ここでは、「商品先物取引には決済期限(納会日)があるので、その期限までに決済する必要がある」ということだけ覚えておけば大丈夫です。

商品先物取引(準備編)まとめ

いかがでしょうか。現物の株式投資とは違う特徴を少しでもつかんでいただけたでしょうか?ここで商品先物取引の大まかなイメージをつかむことができますが、その他の細々した決め事は取扱い先の証券会社や、先に紹介した本などでご確認下さい。

何はともあれ、商品先物取引をする前に覚えておくポイントは以下の3つになります。

  1. 証拠金取引である(少ない資金で大きな取引ができる)
  2. 買いからだけでなく、売りからも取引ができる
  3. 決済期限(納会日)がある

先ずこの3つのポイントを理解した上で、次に商品先物取引(実践編)に移りましょう!