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【IELTS】IELTSスピーキングで8.0を取った時の勉強法と実際の解答例

こんにちは!

僕は、2021年8月に受けたIELTSでスピーキング8.0を取得しました。

このスコアを取れたことは、今後の英語学習や仕事に向けて大きな自信となりました。

この機会に自分が経験したことを共有したいと思い、この記事を書くことにしました。今回は、自分がスピーキングの準備として何をしたのか(勉強法)、そして本番で意識していたことを具体例を交えてご紹介したいと思います。

はじめに:スピーキングスコアの推移

僕は、IELTSを合計7回受験しました。

点数の推移は、

①4.0(2011年)⇒ ②5.5(2012年)⇒ ③6.0(2012年)⇒ ④6.5(2012年)⇒ ⑤6.5(2019年)⇒ ⑥6.5(2019年)⇒ ⑦8.0(2021年)

となっています。

中々7.0の壁を越えられなかった自分が、突然スコアが1.5も上がったのは、正直奇跡に近い気もしますが、以下で自分がどう準備して本番に臨んだのかを書いていきます。

勉強法:シンプルに、レッスンを受講した

スピーキングの勉強に関しては、正直特別なことはしていません。

実際時間に換算すると、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの中で一番勉強時間が少なかったのが、スピーキングでした。

では何をやったのかというと、とにかく本番前にレッスンを受けまくりました。

僕は、以前留学していたIELTSの学校のフィリピン人の先生に、オンラインでマンツーマンレッスンをつけてもらっていました。本番の約2週間前から、毎日21:00~50分間みっちりレッスンを受けていました。

合計すると、扱ったトピックは33になります。

また、Part 1、2、3とある中で、1は日常の質問である上に得点の比重も小さいことから、練習ではPart 2と3に絞って学習しました。

良く聞かれる質問で、「スクリプトは作りましたか?」というのがあるのですが、自分は作りませんでした。実は一回作ろうと思ったのですが、スクリプトを作る=ライティングになってしまい、やっていてもスピーキングに直結しない気がしたことと、散々IELTSライティングのトレーニングに時間を割いていたので、もう書きたくない。という本音もありました。

レッスンを受けて実感したのは、「あらゆるトピックに対応できる体力がついた」ということです。やはり、毎日50分も抽象的な話題をテーマにして話すのは正直しんどいわけです。ですが、それに向き合って、先生とも度重なるディスカッションをしていく中で、「自然と自分の言葉で話す能力」が上がったことを実感しました。先生にも、「質問に対して自分の言葉で述べられているから、面接官の印象もきっと良いと思う。」と太鼓判を押してもらいました。

先生からのアドバイス①「Part 2は、Cafe Talk」

レッスンを受けていて、一番印象に残っている言葉があります。

それは、

Part 2は、スピーチのように話さなくていい。カフェで、友達に話すように話したらいいんだよ。

(IELTSの先生の言葉)

それまでの自分は、起承転結ならぬ、Introdution⇒Topic Sentence⇒Example⇒Conclusionと、型にはめてPart 2を捉えていました。論理性という意味では間違いないと思うのですが、準備時間が1分しかない中でこれをやるのは至難の業です。難しく考えていた中で、この言葉には勇気をもらいました。

本番では、「友達と話すような感じ」とまではいかないものの、この言葉のおかげでかなりリラックスして臨めたのではないかと思っています。実際に、僕が本番のPart 2でどのような感じで話したのか記憶の範囲内で再現してみますね。

本番のPart 2の問題では、「自分が持っているスキルで人に教えたいもの」というお題が出ました。正直、「何もないなぁ」と思ったのですが、高校までやっていた「野球」についての答えを考えてみました。

A: I believe I can share my skills in baseball with others, especially with children, as I was a baseball player at high school. Indeed, I was selected as a representative of ○○○ prefecture once, so I know how to build a skill set to be a good baseball player.
Not only baseball skill itself, but I also gained knowledge on the nutrition and scientific training methods because I experienced a severe injury once. That enabled me to explore more modern types of training rather than old-fashioned ones, which sometimes leads to overwork and injury, as I have experienced it. So, I believe my experience as a baseball player and practical knowledge on physical health would be helpful when teaching children, as it is important to keep them free from injuries for their future.

(僕は、高校まで野球をやっていたので、野球の技術を他人(特に子供たち)に教えることが出来ると思います。実際、高校時代は○○○県の代表選手にも選ばれたので、良い選手になるためのスキルの伸ばし方を知っています。また、大けがを経験したということもあり、栄養や科学的なトレーニング方法についても学びました。それによって、過労やケガにつながりやすい古風なトレーニングではなく、近代的なトレーニング方法を身に着けることができました。ですから、野球の技術的なことだけでなく、将来のある子供たちが身体的健康を維持しながら野球を続けられるようにサポートすることができると思います。)

(IELTS本番の筆者の解答を要約して掲載)

これがざっくりと本番で話したような感じです(本番ではもう少し長く話したと思います)。

どうでしょうか?そんなに難しい単語を使っているわけでもないし、すごく論理的かというと、それほどでもないと思います。ただ、「一貫性」という意味では、つながりは保てたのではないかと思っています。

実際、「教えたいスキル」というお題が出たときに、答えがぱっと思いつかず一瞬頭の中が真っ白になってしまいました。1分間の準備時間がある中で、最後の20秒くらいでようやく野球というトピックに決めました。そして、野球について話始めたはいいけど、野球だけで2分間持たせるのは難しいと思い、「ケガをしないための科学的なトレーニングを研究した」というエピソードを後になって付け足しました。そして、科学的な知見は、子どもたちに教える上でも役に立つと思ったので、「科学的な知見を活用して、野球の技術だけでなく、子どもたちに正しいトレーニングを提供する」という流れに落ち着きました。

つまり、本番では話しながら展開を考えて、後付け後付けで何とか話終えた感じです(汗)。それでも点数を取れたのは、「途中で言いなおしたり、止まることがなかったこと」と、「一貫性の観点でも大きな問題がなかった」からかなと思います。

後、話にインパクトを持たせるために、エピソードは多少盛っています(笑)

ジョブ面接等で、話を盛り過ぎるのはどうかなと思いますが、これは英語の試験ですので、自分が話しやすい展開に話を持っていくことも必要なスキルなのかなと思います。

先生からのアドバイス②「Part 3はよりジェネラルに」

Part 2は自分の話が中心ですが、Part 3はより抽象的な話題について深堀りしていくことになります。

Part 3で受けたアドバイスは「よりジェネラルに」です。

要は、与えられた質問に対して、一般論も述べつつ、自分の意見を被せていくというニュアンスです。

実際に本番で出た質問を基に僕が言った答えを振り返ってみます。

Q: Do you think artificial intelligence will replace the teacher in the future?(あなたは、将来AI(人工知能)が、教師に取って変わる日が来ると思いますか?)

A: I do not think AI will replace the real teacher, at least in the near future. The reason why I think in this way is that I believe that AI can teach hard skills to the students but not soft skills. For example, maybe AI can easily detect students’ weaknesses in each subject and teach them in more efficient ways. However, I don’t think AI can sense what students really have in their minds. Real teachers, on the other hand, are able to understand the characteristics of each student through interaction on a daily basis, which allows teachers to support students in real-life communications. So, in my opinion, AI can play a role in supplementing the teachers but not fully replace them in the future.

(僕は少なくとも、近い将来にAIが先生にとって代わるとは思いません。理由は、AIはハードスキルは教えることが出来ても、ソフトスキルは教えることが出来ないと考えるからです。例えば、AIは生徒の弱点を見つけて、より効率的に学習をサポートすることはできると思います。しかし、生徒が本当に何を思っているのかという内面までは見ることが出来ません。一方、本当の先生は日々生徒とコミュニケーションを取っていますから、生徒の性格などの特徴も熟知しています。それは、生徒のリアルなコミュニケーション力を上げることにも役立つはずです。つまり、僕はAIは先生の補完的な役割を果たすことはできると思いますが、完全に取って代わることはないと思っています。)

(IELTS本番の筆者の解答を要約して掲載)

いかがでしょうか?口語体ではありますが、どちらかというと少しエッセイに近い感じがするかもしれません。エッセイ程堅苦しく考える必要はないと思いますが、ある程度「自分の主張⇒理由⇒例⇒結論」といったパターンで話すと上手くいく気がします。

これが、僕が先生から教わった「Part 3はよりジェネラルに」の意味だと理解しています。

僕が考えるIELTSスピーキング(考え方)

ここでは、僕がIELTSスピーキングに取り組む際に考えていることを紹介します。(全員に合うものではないと思うので、参考程度にして下さい。)

そもそも論で、僕はスピーキングが一番楽しいと思っています

IELTSの醍醐味なのが、スピーキングが対人面接だという事です。実用的な英語力を計るテストだからこそ、この形式を崩さないIELTSの姿勢は凄いなと感じています。やはり、実際に人と話してこその「語学」だと思うので、英語力が対人面接で計れるというのは、一番有効だし、魅力的だと思っています。

次に、ナチュラルさを重視するということです。

僕は、スクリプトを暗記することはしません(IELTSスピーキングのテストのためには)。それをやると、ナチュラルさが無くなると思うからです。面接官との“リアル”を楽しみたいからこそ、与えられた質問にどう答えようかという緊張感が意外と好きです(笑)。

これも実際に本番のテストであったことなのですが、面接の途中で答えづらい質問がありました(質問の内容は忘れました) 。そこで僕は、「That’s a little bit tricky question. Please give me some time to think. Well, …..(それはちょっとトリッキーな質問ですね。少し考える時間を下さい。えっと。。。。」と返しました。通常の会話で考えても、答えがすぐに出ない質問をされたら、「結構答えずらい質問だな~、ちょっと待ってね。」みたいな感じで言う場合があると思います。そんな感じで、試験でもやってみました。結果として、沈黙を回避するだけでなく、この枕詞(?)みたいなのを入れることでわずかながら考える時間もできました。こんな感じで、その瞬間瞬間でしっかりと意思表示をしていくことで、終始ナチュラルに話しているように面接官に映ったのではないかと認識しています。

最後に、面接官に「伝えたい」という気持ちを持つことです。

テストだと言っても、面接官も人間です。アイコンタクトもせず、こわばった顔で話していては、印象も良くないでしょう。確かに部屋は密室だし、録音もされているし、面接官は強面だし(の場合もある)、緊張するのは良く分かります。でも、例え英語が多少間違っていたとしても、「前にいるこの方に伝えたいんだ」という想いで話せば、自然と英語も出てくるのではないでしょうか。試験だからと言って気負わずに、目の前の人とのコミュニケーションを楽しむ気持ちも忘れたくない、と思っています。

最後に:スピーキングTips!

先日、Twitterを徘徊していたら、こんな有益なツイートを発見しました。

(James小谷さんのツイートを引用)

このツイートをされている方は、James小谷さんと言って、いわばIELTSの専門家です。JSAFのサイトでIELTSレポート掲載や、IELTS関連の書籍なども出版されています。

ここで小谷さんは、IELTSでは語彙や文法などの「正確性」よりも、発音を含めた「流暢さ」の方が評価の比重が高いとおっしゃっています。

これには僕も同意で、実際、試験では“流暢さ”にこだわっていました。つまり、細かい文法や語彙は気にしすぎず、意味の通る文で、ネイティブスピーカーと同じようなリズム感で話すことに焦点を当てました。今回は幸い柔軟に対応することができ、“流暢さ”という意味では合格点を頂けたと思っています。そして、この背景にあるのは練習量だと思います。試験前に先生と本番を意識した練習ができたことで、対応力がついたのだと思います。

本当にIELTSの壁は高いですが、僕は結局、点数を簡単に上げる魔法の薬はなく、質の高い練習を何回もこなしていくしかないと思っています。練習の仕方は個人によって違って良いし、この方法が絶対というのもない気がしています。

今回の僕の例も「これが正解!」という訳ではなく、あくまでも一例として参考にして頂ければ幸いです。

最後になりますが、皆さんがIELTSで目標スコアが取れるよう、陰ながら応援しています!

もしご質問などありましたら、お気軽にTwitter等でご連絡下さい。

それでは、お互い頑張りましょう^^